医療社会事業相談ではどんなことを相談できるのですか?
私たちは患者さんの受診や入院、療養生活の不安や疑問等さまざまな相談に応じ、より良い解決方法を一緒に考えていきます。
相談にのってくれる人はどんな人ですか?
専門の医療ソーシャルワーカーです。患者さんの生活状況などを伺い、医療や介護に関するご相談に応じます。また必要に応じて院内専門職員(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士など)と地域の関係機関(開業医、訪問看護ステーション、在宅医療・介護連携支援センター、地域包括支援センター、社会福祉協議会、居宅介護支援事業所、居宅介護サービス事業所、社会福祉事務所、保健センター、児童相談所、障害者基幹相談支援センター、精神保健福祉センターなど)と連携しています。
具体的な相談内容はどんなことですか?
医療を受けるうえでの経済的問題
- 入院することになり、働けず収入が減る。何か経済的な保障はないか?
- 難病の病名を告知され、治療期間も長くなる見込みのため、医療費の支払いが心配。
- 疾病や障害のため、車いすや痰吸引器などの福祉用具、医療機器が必要だが、何か助成は受けられないか?
例えば
- 高額療養費制度、公費負担医療制度、障害者手帳制度、傷病手当金、障害年金制度、生活保護制度、特別児童扶養手当金などの社会保障制度の利用などを検討します。また必要に応じて関係機関と連携し対応します。
療養中の心理的、社会的問題
- 子どもが泣くとイライラしてつい強く叱ってしまう。相談する人もおらず、虐待をしているのではないかと不安になる。
- 入院治療が必要となったため、認知症の夫の介護者がいなくなってしまう。
- がんと診断され治療を受けている。これ以上身の回りのことができなくなったら、妻も高齢のため、自宅での生活は続けられない。
例えば
- 子育て支援を保健センターや児童相談所などと連携して行います。
- ケアマネジャーなどと連携しデイサービスや短期入所、施設入所の利用援助を行います。
- 心配や不安を受け止め、医師や看護師などの関係職種や、地域との連携を図りながら家族関係の調整について一緒に考えます。
- 患者さんのみならず、ご家族の抱える思いや不安を伺ったうえで介護保険サービス(訪問介護、デイサービス、訪問入浴、訪問看護、福祉用具など)の利用援助を行います。
退院にかかる問題
- 主治医から2週間後には退院予定と聞いた。このままの状態では自宅(アパート2階)には戻れない。どうしたらよいか?
- 退院後の生活を考えてみたが、自宅には介護をしてくれる者がいないため、リハビリや生活援助を受けられる施設へ入所したいと考えている。
- 退院後も在宅で母親の介護を継続したいが、母親は日中は独居の状態となるため、何かいい方法はないか?
例えば
- 主治医と相談のうえ、リハビリテーション病院の利用など、適切な転院先の情報提供と転院調整を行います。
- 介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、グループホーム、有料老人ホームなどの利用についての情報提供と入所調整を行います。
- 介護保険サービス(訪問介護、デイサービス、訪問入浴、訪問看護、福祉用具など)の利用援助や、地域開業医と連携して在宅療養の確保に向けての援助を行います。
社会復帰
- 交通事故で入院し脊髄損傷となってしまった。退院となるが、社会復帰に向けてどのようなサポートがあるか?
- 病気で入院している間に退職となり、生活していた会社寮は退寮となってしまった。退院後に生活する場がなく、通院費の支払いも難しい。
- 糖尿病で入退院を繰り返しており、仕事を辞めた。治療を継続しつつ再就職に向けて準備をしたい。
- がんの治療を受けているが病状は落ち着いており、主治医から就労可能と言われている。今後は治療を続けながら仕事をすることになるため、今までと同じ仕事はできるだろうか?
例えば
- 障害者総合支援法に基づく自立訓練や就労移行支援の利用、障害福祉サービスの利用、生活困窮者自立支援制度の利用を検討します。さらに必要に応じて関係機関と連携し対応します。
- ハローワークや社会保険労務士会との連携を図りながら、就労相談を行います。
療養中の心理的、社会的問題
- 病気のことをなかなか周囲に話せない。同じ病気の人や同じような経験をした人とつながりたい。
例えば
- 患者会、家族会などの紹介を行います。
秘密はまもります。