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詳細な診療情報

産婦人科

周産期(母体・胎児)部門

  重症の妊産褥婦の患者さんを受け入れて治療する施設として、平成10年に全国で12番目に指定を受けた当院の総合周産期母子医療センターの母体・胎児部門は、母体胎児集中治療管理室MFICU(写真2)と西6階A病棟(産婦人科センター)および陣痛・分娩室より構成されています。
  現在、愛知県内外より切迫早産、多胎、重症妊娠高血圧症候群、胎児疾患、産褥母体救急疾患など年間約300件の患者さんが母体搬送され、入院後は胎児が元気に誕生できるように切迫早産や前期破水に対する治療や胎児疾患の精査・治療を行い、分娩の際には新生児部門の医師と事前に情報共有してスムーズに出生後の新生児治療に移行できるように努めています。また産褥大量出血など産後の救急疾患の搬送患者さんに対しては、当院各診療科と連携しながら治療を進めています。

  このようなリスクの高い妊産褥婦の患者さんの診療の一方で、多くの正常妊婦の患者さんに安全で自然な分娩を提供できる体制も整えています。妊婦さんが助産師(写真3)と身近に相談できるようにバースセンターにおいて助産師外来を設けています。

婦人科腫瘍部門

  婦人科腫瘍部門は西棟12階B(女性センター)、化学療法センターおよび緩和ケアセンターより構成され、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの婦人科悪性腫瘍の患者さんの治療を積極的に行っているほか、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの治療にも力を注いでいます。婦人科悪性腫瘍の手術は年間約150件あり、系統的リンパ節郭清術を含む根治手術の完遂を基本としていますが、一方で高齢の患者さんや悪性腫瘍が進行した患者さんも多く、手術に限らずそれぞれの患者さんに適した治療法を常に考えて選択しています。
 がん治療には手術や放射線療法、抗がん剤を用いた化学療法による初回の治療が重要であることは言うまでもありませんが、不幸にして再発した場合にもあきらめることなく治療を続けることで長期生存が可能な場合があります。このような「がんとともに生きる」診療にも積極的に取り組んでいます。
 外来においては若年女性において増えている子宮頸がん・子宮頸部異形成の原因となるヒトパピローマウィルスの検査を積極的に行いつつ、前がん状態と言われる子宮頸部異形成の患者さんの厳重な管理によって子宮頸がんの早期発見、早期治療に努めています。

生殖内分泌・内視鏡部門

 生殖内分泌・内視鏡部門は、体外受精-胚移植を中心とした生殖医療・婦人科内視鏡手術(腹腔鏡・子宮鏡)に積極的に取り組んでいます。  

当院での不妊治療の特徴

1.一般検査から体外受精、顕微授精等の高度治療まで可能

 当院では、できる限り自然に近い形での妊娠を試みると同時に、難治例には時期を逸することなく、生殖医療を行っています。

当院での生殖医療の特徴

・体外受精に関連する技術である、顕微授精、受精卵凍結保存、精子凍結保存、胚盤胞移植、assisted hatchingなどを行っています。
・悪性腫瘍などの治療を予定している未婚女性に対する未受精卵子凍結保存を行っています(主治医の紹介状が必要です)。
・熟練した医師、培養士、不妊カウンセラー(助産師)がいます。
・不妊治療の助成金申請が可能です。
・多胎妊娠(双子以上の妊娠)を避けるため、年齢に関わらず、基本的には単一胚移植を行っています。
・ 個別の排卵誘発法を考慮します(オーダーメイド治療)。
 当院での体外受精開始以降12年間の妊娠率は、新鮮胚移植あたり19%、融解胚移植あたり35%です。  

2.内視鏡手術を含めた手術治療が可能

 いわゆる体外受精専門クリニックと異なり、手術(卵管癒着、子宮内膜症など)により自然妊娠の確率を高める努力をおこなっています。また、子宮筋腫核出術や、卵管水腫摘出などは、体外受精での妊娠率を高める効果も認められています。  

3.総合周産期母子医療センターとの連携が可能

4.他科との連携が可能

 合併症をお持ちの方、周産期リスクの高い方にも対応が可能です。

当科における内視鏡手術

 当院では平成17年度より内視鏡手術を本格的に導入しました。昨年の腹腔鏡手術は187件、子宮鏡手術は20件で、年々増加しています(予約は4ヶ月待ちになります)。

1.腹腔鏡手術

お臍から直径5mmという細いカメラを挿入、他に2~3ヶ所の小さな穴をあけて手術を行います。場合によって2~4cm程度に傷を広げることもあります。
 傷が小さくて目立たないだけでなく、術後の回復が早い、癒着が少ないなどのメリットがあります。当院では術後3日目を退院の目安としています。

〈対象〉
 1)卵巣嚢腫(のうしゅ)
 2)子宮内膜症
 3)子宮外妊娠
 4)子宮筋腫(核出術および子宮全摘出術)
 5)卵管癒着、卵管水腫 など

*悪性の疑いが強い場合など、適応にならない場合があります。

*開腹術に比べて、特殊な技術や道具が必要であり、合併症の頻度が高くなります。

*途中で開腹術に変更されることがあります。(当院では約1%以下)

2.子宮鏡手術

 膣から子宮内に細いカメラを挿入し、通電しながら、病変を切除してきます。
 手術の翌日に退院が可能です。

〈対象〉
 1)子宮粘膜下筋腫
 2)子宮内膜ポリープ
 3)子宮中隔、子宮内腔癒着症候群など
 4)過多月経  

*病変の位置や大きさによって、適応にならない場合があります。

*子宮穿孔、術後の子宮内癒着などの合併症があります。

*マイクロ波を用いた子宮内膜焼却術も行うことができます。

女性ヘルスケア部門

 女性のライフステージに応じた健康管理をサポートする活動を行っています。特に地域のクリニックなどでは管理の難しい疾患に積極的に取り組んでいます。 

・性分化疾患
 ターナー症候群、アンドロゲン不応症などの性染色体異常
 子宮・腟奇形などに対する造腟術を含む手術療法
・子宮内膜症
 特に重症例や異所性内膜症に対する各種薬物療法
・早発卵巣不全

上記以外の疾患についても幅広く取り組みを行っていますが、状態が安定すれば近医でのフォローをお願いすることもあります。また、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱など)については、原則女性泌尿器科に受診をお願いしています。

 

■現在、当院産婦人科では日本産科婦人科学会共同で実施している臨床研究;日本産科婦人科学会データベース登録事業(周産期登録・生殖に関する登録・婦人科腫瘍登録)のために、個人の情報が特定されないように匿名化した上で診療情報を提供しています。

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