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造血細胞移植(2)

Ⅴ.最近の各種造血細胞移植の成績

これまでの成績向上に関わる因子がほぼ整えられた、1990年以降の我が国における主な造血幹細胞移植の成績を、日本造血細胞移植学会、日本小児血液学会の全国集計並びに骨髄バンクニュース、及び平成7,8,9年度厚生省がん研究助成金「非血縁者間移植を中心とした同種造血幹細胞移植によるがん根治療法のシステムの確立と普及に関する研究」班報告書、平成9年度厚生科学研究「造血細胞移植と免疫応答に関する研究」班報告書より抽出し、以下に、疾患別 、移植時病期別に示し概説することにいたします。

尚、表には現れていませんが、背景疾患や移植の種類を問わず移植後5年を経ると生存曲線は略水平になり、このことはこれら疾患に対する他の治療法には見られない特徴であって、造血幹細胞移植療法が治癒を目指しうる治療法であることを実績として物語っています。

1)HLA遺伝的適合同胞間骨髄移植の成績

疾患別 、移植時病期別(表-3,4,5,6)。

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(表-3)


(表-5)


(表-4)


(表-6)

小児、成人ともANLL(急性非リンパ性白血病)では第一寛解期と第二寛解期の移植成績があまり差が無いのにくらべ、ALL(急性リンパ性白血病)では第一寛解期のみ成績が良好であって、ALLでは第一寛解期中に移植の適応があれば移植を行なう方が有利である事を示しています。

CML(慢性骨髄性白血病)でも慢性期移植の成績が良いことは既に確立されていることであるが、同じ慢性期でも初診時より年数が経るに従って成績が低下するとの海外の報告がありますので、本邦自験例でもそのことを確認し、少なくともHLA適合同胞をドナーとして有する患者においては、移植を受けることを迷わないようにする必要があるでしょう。 再生不良性貧血における成績は殊に40歳まではかなり良好であると言って良いと思います。

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