診療科・部門

小児外科

小児医療センターのご案内

 当小児医療センターは、愛知県の支援を受けて昭和59年発足以来、次代の社会を支える子供たちを、心身ともに健やかに育てるために、活動してまいりました。また本邦最初の、総合病院に設けられた小児医療専門施設であり、他の診療科と共同して幅広く先端医療を行ってきました。
 現在、当センターでは専門医を含む総勢17人の小児科医が、4名の後期臨床研修医と共に各専門領域の診療に当たっています。
夜間・休日・時間外の外来は、救急部担当医、入院は小児科・新生児科2人当直体制で対応しています。
 小児に関することなら、何でもご相談いただけますので、お気軽に受診してください。
 各診療領域の内容をご紹介します。

小児科一般および感染症

 当院は、一般外来には多くの疾患の患者さんが来院されますが、小児内科疾患の殆どに対応可能です。
 循環器、血液、神経、アレルギー、腎、内分泌、NICU退院後、心療などの専門外来や予防接種、乳児健診を受診して頂きます。初診の患者さんはまず一般外来に来ていただいていますが、その後、一般外来で一番多いのは感染症の患者さんです。入院患者さんも40%が感染症になっています。
 2009年度は、中でも気管支炎・肺炎、咽頭炎・扁桃炎など、喘息・クループ、更に新型インフルエンザとその合併症と気道感染症の入院が多く認められました。胃腸炎も冬期には多く入院されました。
他病院小児科や、開業小児科からの紹介患者さんの割合は約30%になっています。

小児腎臓病科

小児腎臓疾患領域、および境界領域の各種疾患について、診断と治療を行っています。
主な小児腎疾患には、急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、紫斑病性腎炎、尿路感染症、慢性糸球体腎炎などがあります。
3歳児検尿や、学校検尿などの集団検尿で発見された有所見者の診断、管理指導や、水腎症などの尿路奇型などのフォローも行っています。
 これらの疾患の診断のためには、一般検尿、尿生化学、血液生化学検査、血清検査などのほかに、静脈性腎盂造影、逆行性膀胱造影、腹部超音波検査、アイソトープ検査などが必要になることがあります。
これらの検査は、外来で施行可能ですが、慢性糸球体腎炎などの正確な診断のためには入院して経皮的腎生検(組織検査)が必要になったり、また安静や、食事療法、病状に応じた薬物治療を行うことになります。
 当院には、小学校、中学校とも入院しながら勉強できる院内学級、養護学校があり、また保育士さんが2名病棟に配属され患者さんたちに喜ばれています。

小児神経科

プレイルーム 院内学級【小学校】
プレイルーム 院内学級【小学校】
 小児神経科では、主に脳/脊髄、末梢神経、筋肉に起因する疾病、また神経症状を呈する代謝・内分泌疾患等の診療を常勤医2名、非常勤医1名で行っています。

当院は三次救急病院に指定されていることから、熱性けいれん、けいれん重積、てんかん発作、急性脳炎・脳症、脳血管障害、髄膜炎などの急性疾患が多く、入院診療の主な対象となっています。一方神経外来の対象は、てんかん、脳性麻痺、精神遅滞、発達障害などの慢性疾患が主体です。 具体的な疾患としては、けいれん性疾患(熱性けいれん重積・群発、胃腸炎に伴うけいれん、てんかん)、神経学的感染症(急性脳炎・脳症、細菌性髄膜炎)、炎症性神経疾患(多発性硬化症、ギランバレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎)、脳血管疾患(もやもや病、脳梗塞)、神経筋疾患(重症筋無力症、筋ジストロフィー)など多岐にわたります。
また脳性麻などの痙縮に対し、ボトックス注射、ギャバロン持続髄注療法など新しい治療法も積極的に導入し、少しでもより良い状態に近付ける工夫を行っています。
 神経疾患の診断・治療には、脳波検査、神経画像検査(CT、MRI、SPECT、PET)、神経伝導検査、誘発電位検査(聴性脳幹反応、視覚誘発電位、体性感覚誘発電位など)、心理検査などの種々の検査を組み合わせて行います。毎年、小児科のみで約1500件の脳波検査(外来、病棟、NICUを含む)を行っています。

小児科病棟 入院患者数推移

2010年 1249人
2011年 1292人

小児科病棟 主要な入院疾病内訳(2012)

入院数
急性肺炎・気管支炎 183
急性胃腸炎  75
気管支喘息  49
急性上気道炎  43
尿路感染症  24
川崎病  22
マイコプラズマ感染症  21
不明熱  13
複雑型熱性けいれん  12
RSウイルス感染症  11
クループ症候群   8
けいれん重積・群発   8
腸重積   7
てんかん   7
胃腸炎に伴う痙攣   5
低血糖症   4
急性脳炎・脳症   4
頚部リンパ節炎   3
ブドウ球菌性皮膚熱傷症候群   3
菌血症   3
熱性けいれん   3
アレルギー性紫斑病   3
アナフィラキシー   3
先天性胆道拡張症   3
大量服薬   3
異物誤飲   3
糖尿病   2
多形滲出性紅斑   2
糸球体腎炎   2

小児血液腫瘍科

 小児血液腫瘍科においては、1984年の小児医療センター開設以来、急性白血病、悪性リンパ腫や固型腫瘍等の血液腫瘍性疾患および再生不良性貧血等の非腫瘍性疾患を中心に診療を継続しています。

1.急性白血病等の白血病および悪性リンパ腫

 急性白血病、すなわち急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病、ならびに悪性リンパ腫の患者さんには、診断後に化学療法もしくはそれに引き続き造血幹細胞移植の治療を実施しております。

1)急性リンパ性白血病(ALL)に対する化学療法: ALLは小児期で最も多い悪性疾患ですがこのALLに対してはJPLSG(日本小児白血病リンパ腫研究会)の治療研究グループに属して化学療法を施行しております。すなわち、その治療プロトコール名および対象疾患はALL-B12(小児B前駆細胞性急性リンパ性白血病)、MLL-10(乳児急性リンパ性白血病)、ALL-T11(小児T細胞性急性リンパ性白血病)、ALL-RT11(小児再発T細胞性急性リンパ性白血病)、Ph+ALL13(Ph染色体陽性小児急性リンパ性白血病;予定)です。

2)急性骨髄性白血病(AML)に対する化学療法: AMLに対してもJPLSGに参加して治療を行っておりますが、その治療プロトコール名および対象疾患はAML-05(急性骨髄性白血病)、AML-D05およびAML-D11(ダウン症に発症した急性骨髄性白血病)、AML-P05(急性前骨髄性白血病)です。

3)その他の白血病: 以上の他、CML-08(慢性骨髄性白血病)、JMML-10(若年性骨髄単球性白血病)への治療も行っております。

4)悪性リンパ腫(ML)に対する化学療法: MLに対してもJPLSGに参加し、その治療プロトコール名および対象疾患はB-NHL03(小児成熟B細胞性悪性リンパ腫)、LLB-NHL03(小児リンパ芽球性リンパ腫stage I/II)、ALB-NHL03(小児リンパ芽球性リンパ腫stage III/IV)、ALCL99(未分化大細胞型リンパ腫)です。

5)造血細胞移植: 化学療法が無効もしくは無効と予測される症例に対しては同種造血幹細胞移植が実施されます。その対象はALLではPh+ALL、乳児ALL例等の再発の可能性が高い寛解期症例や再発例などです。その成績は移植時の病期によって異なり、初回もしくは第二寛解期では比較的良好な結果が得られますが進行期では合併症の発生率や再発率が高くなります。
 急性白血病に対しては、従来の骨髄破壊的前処置を用いた移植から短期的及び長期的合併症の低減のためにいわゆる骨髄非破壊的移植も試みております。また、移植の種類をドナー別にみた場合、従来のHLA一致同胞間骨髄移植から非血縁者間の骨髄移植や臍帯血移植が増加しています。
当科では、1982年以来急性白血病を中心に造血幹細胞移植を実施しております。1991年から2010年までのドナー別移植件数は自家移植128例、血縁者間骨髄移植169例、血縁者間末梢血幹細胞移植3例、非血縁者間骨髄移植136例、臍帯血移植39例です。

2.固形腫瘍

 小児の悪性固型腫瘍としては、神経芽腫、肝芽腫、横紋筋肉腫、Wilms腫瘍、奇形種、脳腫瘍等の患者様の治療を行っています。JNBSG(日本神経芽腫研究グループ)、JPLT(日本小児肝癌スタディグループ)、JRSG(日本横紋筋肉腫研究グループ)、JWiTS(日本ウイルムス腫瘍研究グループ)、JPBTC(日本小児脳腫瘍コンソーシアム)に属して、他施設共同研究をおこなっております。進行神経芽腫に対しては、JNBSGのパイロットプロトコールとなる東海小児がん研究会プロトコールを実施しており、強力な化学療法、手術、および自家末梢血幹細胞移植を実施することで良好な結果が得られています。また、肝芽腫、横紋筋肉腫の進行期症例においても自家末梢血幹細胞移植を施行しております。

3.再生不良性貧血等の血液疾患

 非腫瘍性血液疾患の代表的疾患である再生不良性貧血は免疫抑制療法や同種造血幹細胞移植によって90%以上の長期生存率が得られています。
 この他の非腫瘍性血液疾患としては好中球減少症、特発性血小板減少性紫斑病、遺伝性溶血性貧血、血友病等の患者さんの診療も行っております。好中球減少症の内、慢性良性好中球減少症に対しては保存的な経過観察が中心ですが先天性の好中球減少症は造血細胞移植が実施されます。特発性血小板減少性紫斑病に対してはガンマグロブリン療法、ステロイド療法が基本的治療となります。血友病に対しては重症および一部の中等症に対しては外来または家庭での定期補充療法を行っております。

4.先天性代謝異常症等の非腫瘍性疾患に対する造血細胞移植

先天性代謝異常症の一部には造血細胞移植が有効な場合があり、当科ではこれまでその適応症例30例に対して同種造血細胞移植を施行しております。その内訳はムコ多糖症I型、II型、VI型、VII型に対して11例、副腎白質ジストロフィー症等の先天性代謝異常症に対して15例、その他4例(ムコリピドーシス2例、ニーマンピック病1例、異染性白質ジストロフィー症1例)です。

小児循環器科

 現在、当科で扱っている疾患は4つに大別されます。
 表1に病名を列挙してあります。心室中隔欠損・心房中隔欠損・ファロー四徴症などが比較的よく見られる疾患です。
 また、周産期センターがしっかり稼動しているため、出生前に胎児エコーで重症心奇形が疑われ、多くの母体が産科に紹介されています。
小児外科をはじめ、耳鼻科・口腔外科・眼科・整形外科などの外科系各科も小児の経験が豊富であるため、こうした合併奇形の治療目的も合わせて、出生前・または後に紹介となる場合もあります。新生児症例・重症心奇形症例が多いのが特徴ともなっております。
 不整脈での、小児科の特徴としては、学校の心電図検診で見つかり、新規に外来受診・経過観察される児がいること、あるいは、心奇形に絡み、不整脈を起こしている児がいることです。
 その他の心疾患としては、川崎病が年間30~50例新規で入院し、その後外来フォローを行っております。
 また薬剤性の心筋障害や、結節性硬化症に合併の心臓腫瘍などの経過観察を行っております。

診療している疾患の種類

先天性心奇形 心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、心内膜床欠損症、動脈管開存症、大動脈肺動脈中隔欠損症、ファロー四徴症、修正・完全大血管転位症、大動脈弓離断症、大動脈縮窄症、大動脈弁狭窄・大動脈弓低形成・単心室など
不整脈 心室・上室期外収縮、心室・心房頻拍、QT延長症候群、完全房室ブロック、心房粗動、など
川崎病 川崎病後冠動脈瘤
その他の心疾患 川崎病、心筋炎、心筋症など

 上記のような疾患を外来・入院で診療しつつ、必要に応じて心エコー検査や心臓カテーテル検査を行っています。
心エコー検査は、疾患の診断及び状態を判断するために、技師ではなく、すべて小児循環器科の医師が行っています。
 年間心エコー検査として、エコー検査室及び新生児集中治療室入院児に行った心エコーは2000例以上あります。
また、当院では、出生した児の心疾患を見逃していないか、ベビー心エコースクリーニングを全例行っていますので、心エコー検査の総件数は合わせて年間3000例を超えています。
予約は、3ヶ月先までいっぱいのこともあり、非常にご迷惑をかけていますが、緊急の検査にはなんとか対応しているのが実情です。
 心臓カテーテル検査では先天性心疾患の左右心臓カテーテル・心大血管造影検査や川崎病後の冠動脈造影、カテーテル治療では動脈管のコイル塞栓や、バルンによる心房中隔裂開、半月弁形成、血管形成などをおこなっております。2009年は診断・治療各々30、4例に合併症なく施行しました。なお、2008年秋より、心臓外科が先天性疾患の手術を休止したため、内科的心臓カテーテルが主となっています。
 当グループは、心疾患以外にも一般感染症など軽症から循環管理を要する人工呼吸器管理の最重症患者までも、臨床研修医教育の一環として幅広く診療しています。

新生児科

 当院のNICU(新生児集中治療室)は、1989年に開設されました。1998年からは総合周産期母子医療センターに指定され、産科と協力しながら、日夜、診療にあたっております。
 入院対象は、異常新生児で、出生体重が500gに満たない超低出生体重児を含む未熟児から、新生児仮死、呼吸窮迫症候群・一過性多呼吸などの呼吸器疾患、先天奇形、高ビリルビン血症など多岐にわたります。
 病気の治療だけでなく、タッチケア・カンガルーケアなどのデベロップメンタルケアも行っています。今後も 赤ちゃんにも家族にも優しい医療を目指していきたいと思っております。

入院数の推移(人)

2009 2010 2011 2012
入院数 630 604 587 619
院外出生数 29 20 29 38
人工呼吸管理 159 142 119 136
~999g 40 43 42 48
1000~1499g 60 54 37 41

異常新生児が入院対象です。
主な疾患には、1000g未満の超低出生体重児を含む未熟児から、新生児仮死、呼吸窮迫症候群・胎便吸引症候群等の呼吸器疾患、高ビリルビン血症、先天奇形、心疾患、小児外科疾患などがあります。
病気の治療だけでなく、タッチケア、カンガルーケアなどのデベロップメンタルケア等も行っています。
赤ちゃんにも、家族にもやさしい医療を目指していきたいと思っております。

《看護スタッフより》

NICU28名(師長1名、係長1名含) NCU22名(師長兼務、係長1名含)
お一人お一人のお子様とご家族を大切にNICU看護にとり組んでいます。
NICU28名(師長1名、係長1名含) NCU22名(師長兼務、係長1名含)